価値観の多様化に囚われないモノづくり

人々の価値観が多様化してきている現代社会においては、ユーザーの幅広いニーズに対応できるようにプロダクトに高いカスタマイズ性を付与するというのは当然の流れのように思えますが、個人的にはこれに抗うことに美学を感じます。
というのも、カスタマイズ性が高いプロダクトには作り手の強い意志やアイデンティティを感じられないものも多い気がするからです。(カスタマイズ性そのものを売りにしている製品は除く)
この感覚を説明するのに最も分かりやすい1つの例がアップルの製品だと思います。同社の製品は頭数やバリエーションが少なく、そういったシンプルさの裏に「これでどうだ」という強い自信やサジェストを感じることができます。ユーザーに迎合しないモノづくりとも言えるので相応のリスクがあるとは思いますが、こういった流れから誕生したプロダクトは洗練されたイメージを帯び、印象的に映ります。
ちなみに、僕が前職でWebサービスやスマートフォンアプリの受託開発を行っている時も、カスタマイズ性を求めるお客さんほどサービス内容に確固たる自信が無いように見受けられました。サービスに芯が無いままどんどん機能追加すれば、「ユーザーのためにやった(つもりの)ことでユーザーに使われなくなる」という悪循環に陥ることは目に見えています。
スタートアップブームで多くのサービスが乱立する現在だからこそ、これからは「これが絶対にウケるはずだ」という強い信念と勇気を持って突き進むもの作りが強いと思っています。その信念はきちんとマーケティングをした結果から生まれたものでも、自分の思い込みでもいい気がします。(テレビ番組の制作においてですが、同様のことを秋元康さんも言っていました)
さらに言えば、冒頭の前提に疑問を投げかけることになりますが、個人的にはあくまでも多様化しているのは表面的なニーズであり、本当に根っこにある人間の潜在的なニーズはまだそれほど多様化していないのではないかとも思っていて、そういった意味でも価値観の多様化に囚われない、攻めのモノづくりを提唱したいと思っているこの頃です。
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