ステマの防止には限界があることを認識して、その次を考えよう

今回のテーマは「ステルスマーケティング」です。
僕はマーケティングや広告畑の人間ではないですが、ステルスマーケティングはサービス運営にも大きく関わる話ですので、僕のような立場の人間の見解も少しはお役に立てるのではないかと思っています。
今回伝えたいことはまさにタイトルの通りです。
- ステマの防止には限界がある
ステマの防止において、サービスの運営側が果たす役割が大きいのは間違いありません。経験豊富な管理者であれば、サイトの利用者よりも多角的な視点で口コミ情報の検閲ができるはずです。ただし、運営者とユーザーにはそれよりも決定的な違いがあります。
例えば、とあるECサイトの商品に関して、かなり信頼性が疑わしい口コミを発見したとします。その時、管理者は主観的に見てそれが99%疑わしい口コミであっても、100%不正であるという証拠を掴めない限り、削除はおろかユーザーへの警告すらすることができません(最近ではやらせ投稿の手口も巧妙になってきているので、この100%の物的証拠を掴むことは容易ではないことは皆さんもお分かりかと思います)。表面上は、「信頼できる(であろう)口コミ」も「かなり怪しい口コミ」も同じ扱いをせざるを得ないということになります。
これが、サイトの利用者であればどうでしょうか?怪しい口コミを見つけたら、その商品を買わなければいいだけの話です。自らの気持ちのままに動くことができる彼らにとって、「信頼できる(であろう)口コミ」と「かなり怪しい口コミ」は(彼らの行動を左右するほど)大きく異なるものです。
ユーザーがこの両者の立場およびそれに基づく行動の違いを理解していれば、「管理には限界があるので、自ら判断して意思決定すべきだ」という感覚が当たり前になるはずです。結局のところ、ステマ対策に最も有効なのは、ユーザーが主体的に情報を取捨選択できるリテラシーを持つことだと分かります。
- その次を考えよう
上の議論で終わってしまっては何の発展性もないので、今回はその次、すなわち自分で情報の信頼性を判断する方法についても言及したいと思います。(こんな点に注意すると良いかもしれません、というレベルですが)
◆口コミの絶対数が少ない場合は注意
口コミの投稿数が多い場合は評価に傾向が出やすいと思いますので、仮にその中でやらせ投稿が1つ存在したとしても全体への影響度は比較的少ないと思います。また、評価のメインストリームがある中でそれに不自然に逆行しているものがあれば目につきやすいはずです。
しかし、口コミの絶対数が少ない場合は注意しないといけません。例えば、ある商品に投稿されている2件の口コミが同一ユーザー・別アカウントのなりすまし投稿である可能性はゼロではありませんし、母体が少なければ1つの口コミが全体に及ぼすインパクトは必然的に大きくなります。「多くの口コミを集めることでやらせ投稿を埋没させ、それにミスリードされるユーザーを減らす」というのは運営側の命題でもありますが、すべての情報にそのような状態を作ることはどうしても難しいため、ユーザー自身がこのようなリスクを認識しいている必要があると思います。
◆投稿者の過去の動きをチェックすべし
これは運営者であれば誰もが持っている視点だと思いますが、口コミの内容そのものだけではなく、その情報は誰が発信したものなのかということに目を向けるべきです。大抵のCGMサービスには投稿者の過去の投稿履歴などを閲覧できるプロフィールページが存在しているので、口コミの信頼性を判断したい時はそこをチェックしてみると良いと思います。
比較的信頼できるのは以下のようなケースです。
・過去投稿している口コミの数が多い
・高評価、低評価の投稿共に明確な理由が添えられている
・プロフィールページに自らの顔写真が掲載されている
・facebookやTwitterの実名アカウントにリンクされている、もしくはニックネームで検索すると他サービスやSNSのプロフィールページがヒットする
感覚的な表現でこれらをまとめると、ウェットな感じというか、温度を感じる投稿者ほど信頼性が高いと判断できるのではないかと思います。
逆に、過去投稿した口コミの数が少なく、投稿内容もはっきりとした理由なしに批判しているものがほとんど…みたいな場合はやらせ投稿用のアカウントである確率が相対的に高くなります。また、他のユーザーの批判的な口コミを打ち消すような投稿を至るところで行っている投稿者も注視すべき対象になります。
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以上、大きく2点ほど簡単に紹介しましたが、これ以上の細かいレベルで注意点を挙げればキリがありません。例えば、最近はただ手放しで評価するだけではなくうまくマイナス要素も取り入れながら信憑性の高いやらせ口コミを書く投稿者が増えてきていると思いますが、依頼を受けている場合は当然クリティカルな批判はできないので、評価の根幹を揺るがすことのないソフトな批判に終始します。そういった観点で口コミを眺めているとちょっとした違和感に気付くこともあります。
最後に念押ししておきますが、これらの内容はあくまでも1つの判断基準に過ぎません。全ての懸念点が当てはまるものがあれば話は別かもしれませんが、多少該当したところでそれが不正投稿である可能性はごく僅かでしょう。
皆さんはそれぞれの自分なりの情報の捉え方や判断基準をお持ちだと思いますので、それをサポートする観点として参考になれば幸いです。




